きみは「ゼルダの伝説 大地の汽笛」というゲームを知っているか。
・この記事はAnotherVision Countdown Calendar2017の一環の記事です。
まえがきのまえがき
どうも、AnotherVisionのうみすけです。
2期生でAnotherVisionの元副代表やってました。今も時折制作に関わったり関わらなかったりするようなそんな立ち回りしています。今回のAnotherVision Countdown Calendar2017の発起人の一人でもあります。
自己紹介はここらへんにして。
皆さんはこれまでに投稿されたAnotherVision Countdown Calendarの記事をお読みになっているでしょうか。
それぞれ、謎解き・体験というポイントに端を発した内容になっています。考えさせられたり、呑み込まれるように読まされる記事だったり。とてもすごい。
とてもすごいので、後に続く人が肩肘張らず萎縮せず自由に記事を執筆できるような、のびのびとした記事を書くというのが今回の内容の発端になります。もしも、本日の記事で真面目で有意義な内容をお求めの方がいらっしゃいましたら、申し訳ございません。どうぞ、明日以降の記事を楽しみにお待ちください。
まえがき
さてさて、本題へと参りましょう。
僕は12/4、つまり記事投稿の前日の昼頃まで何を書くか決めかねていました。
そのとき、ひとまず目の前に作業に集中しようと音楽を聴くことにしました。その曲は、先日TOWER RECORDSで購入した「ゼルダの伝説 30周年記念コンサート」より、"ゼルダの伝説30周年シンフォニー"でした。(発売から半年以上買っていなかったのは、コンサートのチケットに落選したショックがじくじくと続いていたです)
そして、1分40秒後。私は"とある曲"に久しぶりの再会をしたのです。
この曲はスマブラfor 3DS / WiiU にアレンジされて収録されているので、聞いたことがある方も多いかもしれません。
これは、私にとってとても思い入れのあるゲームであり、そして大好きなゲームの一つです。というのも、誕生日プレゼントでも人から借りたでもなく、自分のお小遣いを貯めに貯めて自分のお金で買った、最初のゲームだったから。
ここで少し思いました。世間一般はこのゲームにどのような評価を下しているのだろうと。そこで、amazonで調べることにしたのです。
その結果は……
いやいやいや、値崩れしすぎでしょ。
新品で676円ですよ、86%オフですよ。同DSでのゼルダシリーズ第一弾である「ゼルダの伝説 夢幻の砂時計」は26%オフなのに、この差はひどい。一通り調べた限り、12/5時点で「ゼルダの伝説シリーズ」中、最大の値引き割合でした。
確かに、このゲームで評価の下がるポイントがないとは言いません。言いませんが、この値段で遊べるのは圧倒的なアドすぎる。
なので。
今日のCountdown Calendarの記事を借りて「ゼルダの伝説 大地の汽笛」がどのようなゲームで私にどう影響を与えたかを、最新作「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」との比較を交えつつプレゼンします。どうぞご一席。
なお、本記事では公式サイトで知ることのできる内容以上の説明を部分的に行います。端的に言えば微量のネタバレです。体験を著しく損なうようなことは書かないつもりですが、ご留意ください。
【遅めの目次】
[:contents]
ゼルダの伝説シリーズについて
このゲームのプレゼンをする上で、どうしても欠かせないのが「ゼルダの伝説」シリーズ自体の説明でしょう。が、長々しく書いてもアレなので短くまとめると、主人公リンクとハイラル王国のゼルダ姫が魔王やガノンといった「ハイラルの危機」に立ち向かう謎解き冒険アクションゲームです。シリーズを通して時系列などの関連性はありますが、どの作品も単品で楽しめる内容となっております。
今作のゼルダ姫は、ある作品に登場するゼルダ姫の「玄孫」にあたります
大地の汽笛のあらすじ
※ニコニコ大百科「ゼルダの伝説 大地の汽笛」より抜粋(一部加筆修正)
ここは広大な大地に巨大な鉄道網が発達したハイラル王国。そのモヨリ村で平凡な生活を送っていた少年リンクは正式な機関士になるため任命式が行われるハイラル城へ出かける。
そこでゼルダ姫から手紙を受け取り、手紙の指示通り姫の部屋でゼルダ姫と密会。ハイラルで最近起きている数々の異変、消えていく線路の原因を調べるため神の塔に機関車で向かう。がその途中、ディーゴとキマロキに襲われゼルダ姫は肉体と魂に分割され肉体だけ攫われてしまう。
リンクと魂だけになったゼルダ姫は神の塔のシャリンから封印された魔王が復活しようとしていること、魔王の魂の器としてゼルダ姫の肉体が必要だということを聞く。
かくして、姫の肉体を取り戻すため、魔王の復活を阻止するため、リンクとゼルダ姫の冒険が始まる…。
3行でまとめると
- ハイラル王国で「線路が消える」異常現象が起きており、ゼルダ姫と見習い機関士の少年・リンクは調査に向かう
- 道中に魔王復活を目論む連中に襲われてしまい、ゼルダ姫の肉体が奪われ、魂だけの存在になってしまった
- 姫の肉体を取り戻すため、魔王復活を阻止するため、リンクとゼルダ姫の冒険が始まる……
というストーリーです。
大地の汽笛で僕が大好きなポイント
シリーズ史上最高に可愛いゼルダ姫と最初から最後まで一緒に冒険する
あらすじに書きました通り、今作のゼルダ姫は物語序盤に肉体を奪われてしまい、魂だけの存在となってしまいます。そして、普通の人間の中で唯一ゼルダ姫を認識できる主人公リンクとともに冒険をすることになります。
かつてのゼルダシリーズでは、姫も冒険することはあれど、終始主人公と行動を共にするものはありませんでした。そう、大地の汽笛はシリーズで唯一メインヒロインとずっと一緒に冒険するのです!
そして今作のゼルダ姫、個人意見ではありますが、シリーズ史上最高に可愛いです。最初に出会うときこそ姫らしく毅然とした態度でありますが、霊体になると身も心も軽くなり、そのお転婆な一面が見えてきます。表情も豊かで、プレイすればきっと好きになります。そして同時に、ゼルダ姫自身の成長も物語を通して感じることができるでしょう。
普通姫さまはそんな顔しない
前作の強敵「ファントム」との共闘
とりあえずこちらを見てもらいましょう。
前作「夢幻の砂時計」では倒せない無敵キャラとしてリンクに襲いかかってきた敵キャラ:ファントム
ファントムという敵です。神の塔という場所を侵入者から守るガーディアンですが、リンクたちにも牙を剥いてくる、絶対に倒せない敵です。スマブラでもゼルダの下Bで召喚できますね、あれは今作がモチーフとなっています。
続いてこちら。
ファントムインゼルダ姫。可愛い、異論は認めない。
こちら、ゼルダ姫です。ある条件を満たすことで、霊体であるゼルダ姫はこの「ファントム」に乗り移ることができるのです。見た目に相応しい、十分強力な味方として活躍します。
活躍しますが。中身はゼルダ姫です。挙動もゼルダ姫です。そのため、このゴツい見た目で可愛らしい所作を繰り広げたり、ネズミ一匹に怯えて動けなくなったりします。とてもミスマッチでコミカルです。そのうちに、ファントム自体がだんだんと可愛く見えてきますね。
虜にするフィールド音楽
冒頭のお話に戻りますが、今回この記事を書くことにしたきっかけは「汽車フィールド その2」にありました。
この音楽は、全ての線路が消失してしまったハイラル王国に、最初の線路を取り戻し、そして「神の汽車」に乗って次の手掛かりへ向かおうとする最中に流れるBGMです。つまり、冒険の始まりの音楽。軽快なパンフルートの音色、軽快なギター、始まりに相応しい心踊る音楽です。
そしてこの曲は芸が細かくて、汽車の状態に合わせて演奏が変化します。停車してるときはパンフルートは鳴らずギターのみ、逆にトップスピードならばドラムが追加されて更に軽快になる、といったように。このような細かい工夫が、長い汽車の旅を楽しくさせてくれます。
また、同様に紹介したいのが「汽車フィールド その3」。こちらは、線路を復元させて初めて新しい大地に行けるようになったとき、長いトンネルを抜けた瞬間に流れだします。そこは雪の大地。天気は悪く吹雪いている中、この先の不安を呑み込み表現するようなこの曲が流れます。
そしてもう一つだけ。この物語では「大地の笛」というパンフルートのような楽器が登場します。「時のオカリナ」「ムジュラの仮面」といったシリーズ作品でも楽器は一つのテーマ・重要アイテムとして現れていましたが、「大地の汽笛」は一味違います。
作品のカギを握る、大地の笛。
作中で流れるBGMが、物語が進み最終局面に進むにつれて、"ある伏線"として回収されるのです。音楽が、物語の核として現れるのです。こればかりはプレイして味わってほしい、そう思います。少なくとも僕は、この作品を通して「ゲームにおける音楽」というものの認識が改まりました。楽しんでください。
ギャグと真面目の緩急、そして手に汗握るラストバトル
先に述べたように、今作はゼルダ姫と二人で冒険し進みます。そのため、キャラ同士の掛け合いがこれまでのゼルダの伝説シリーズに比べて豊富で、そして起伏に富んだ会話になっています。テンポの良いギャグでゼルダ姫やキャラクターの人間味を増しながら、締めるところはきっちりと締める。そうすることで、一層味のある物語が繰り広げられているのです。
本音の漏れるゼルダ姫。その集中線は何なのか。
物語も進むと、頼もしい発言も。
そして何より、ラスボスとの戦闘が徹頭徹尾興奮します。やればわかります。こればかりは本当に体験してほしい(2回目)。以上です。
大地の汽笛が世間的にはイマイチなワケ
汽車による移動が長い
マップの移動は線路に乗って、汽車で行います。この汽車、そんなに移動が早くないので遠くまで行くのが大変です。途中でマップワープが部分的にできるようにはなるのですが、それでもキツく感じる人もいるでしょう。僕の場合はフィールド音楽で紛れましたが……
部分的に操作性が悪い
キーコンフィグなし、ほぼ全ての操作がタッチペンというのは据え置きゼルダをプレイしてきた人にとっては不満ポイントの一つでした。また、シナリオ中必ずマイクを使わなければならないシーンがあるが、DSのマイク性能といえば……
アクション性が高い
ゼルダへの行動を指示しながらリンク自身も動かす、というギミックシステムの都合上、「相手の動きを予測する」「相手の動きを誘導する」といったことを判断して実行する必要があります。これがまあ難しく感じてしまう一旦にもなっていたり。
前作の揺り戻し
DSゼルダ第一弾である「ゼルダの伝説 夢幻の砂時計」が大ヒットした背景で、その「夢幻の砂時計」自体が操作面・ゲーム面で困難な要素を抱えていました。つまり、ライト層にとっては敬遠したいタイトルになってしまった可能性もなくはないでしょう。
サントラを発売してくれない!!!!!
とても個人的な主張。好きなポイントでそのゲーム内音楽をあげているにもかかわらず、公式に音源化されたものはなんと3つしかないという悲しさ。10周年を記念してCD作ってくれたら嬉しいな……
総括して、ゲームの内容・物語自体にはほとんど非はないということです。
そして、イマイチだなんだ言っていますが売り上げ自体は76万本ありますので、決してコケてしまった作品というわけでもありません。ゼルダの名を冠するにふさわしいだけの実績だと思います。
おわりに
今年発売された「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」はゲーム史に残る大傑作です。プレイして、その楽しさを味わってゼルダの伝説シリーズに興味が湧いた方もいるでしょう。今回は値崩れが悲しすぎて「ゼルダの伝説 大地の汽笛」の紹介をしたわけですが、ぜひゼルダの伝説シリーズに興味を持った方はどの作品でもいい、とにかく冒険に繰り出して欲しいとゼルダファンの一人として思うのです(全部遊ぶ気概があるのならオススメの順番はもちろんありますが)。
数年前の少し古いゲームになってしまいますから、昨今のゲームに比べれば美麗さでは劣って感じるかもしれません。操作性も悪いかもしれません。それでもなお残るゲームとしての面白さが、冒険の楽しさが、熱い展開とストーリーがあなたを待ち受けています。
「ゼルダの伝説 大地の汽笛」のお買い求めはこちらです。676円は本当にありえないレベルです。
また、Wii U ヴァーチャルコンソールでもお楽しみいただけます。
ぜひ、汽車で大地をめぐる冒険を。ゼルダ姫とタッチペンとともに。
【追記】
「社長が訊く『ゼルダの伝説 大地の汽笛』」のリンクを貼り忘れたのでこちらに置いておきます。ご一緒にお読みいただければ、と。